180SX アクセルを全開にするとエンジンストールする

先日にエンジンオーバーホール~エンジン積載まで完了した180SXです。
 
作業完了後、間もなくして機関の慣らしも終わり、
 
エンジン仕様に合わせて低回転域や中回転での加減速域のECUデータも、ほぼ完成しました。
 
通常走行は、きわめて好調です。
 
 
 
全体の仕上げに全開域の調整をしようとスロットルを踏み込んだところで、
 
『エンジンの吹け上りが止まる』という現象が起きました。
 
 
 
DSC03508
 
組上げたばかりのエンジンでの出来事に少々驚きましたが、
 
気を落ち着かせて、トラブルシュートに取り掛かります。
 
 
 
エンジン本体は静粛性も保持できているため正常とみなし、
 
補機類の調整とセンサー動作ログの見直しに取り掛かります。
 
 
 
通常ではアクセル全開域でスロットルポジションセンサーの電圧は4V程度を指します。
 
ところがこちらの車両は5vも掛かっておりました。
 
異常値でしたのでこれらに関連する事柄を調査致します。
 
 
 
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スロットル前のサクションパイプを外し、バタフライを開いてみたところです。
 
純正品と比べると随分と大きなスロットルが装着されております。
 
通常90度傾くところで止まるはずが、開度が120度ほど動き、裏面も見えている状態でした。
 
これではスロットルを閉じていくことと同じことになりますので、
 
正常動作角となるように範囲を修正致します。
 
 
 
DSC03591
 
全開時の調整ストッパーが装着されておりませんでした。
 
このことがアクセルの開きすぎの原因だったようです。
 
 
 
ネジピッチと全長寸法の合うボルトナットで固定しておきました。
 
 
 
DSC03592
 
全開時90度ピッタリに合うように調整しておきました。
 
アクセル開け始めのフィーリングも引っかかりがありましたので、
 
全閉ストッパーも微調整しておきました。
 
 
 
DSC03608
 
スロットル開度の調整が終わりましたので、次に室内のペダルストロークを確認してみます。
 
純正スロットルは、べダルストロークを同期させることは不要なのですが、
 
ワイヤースプロケットの外径が変わったり、ワイヤーの固定位置を変更した場合には、
 
室内のペダルストッパーの高さ調整もされた方が良いと思います。
 
アクセルペダルを奥まで踏んで止まったところで、
 
エンジンルームのスロットルバタフライが全開になるようにセットしました。
 
この調整をしないとスロットル全開ストッパーのボルトが緩みやすくなるのかもしれません。
 
 
 
こちらの車両はスロットル制御方式でECUが動作するため、セッティングは振り出しに戻りますが、
 
エンジン特性は把握できていたため、この後のデータ編集はスムーズに進みました。
 
 
 
ここまでやったところで、再び試走します。
 
アクセル全開時に出ていた症状が治まり、回転がスムーズに上昇するようになりました。
 
 
 
お車引き渡し後に、オーナーさんから『エンジンフィールが大変良くなった。満足しました。』
 
というおたよりをいただくことができました。
 
 
 


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