S15シルビア エンジンがアイドリングから吹け上がりまで全域で不調です
十年来お付き合いのあるお客さんからエンジン不調の電話が入りました。
「エンジンの吹け上りが悪く、
何とかアイドリングはするもののいつ止まってしまうかわからない状態」とのことです。
点検・調査と修理を承りましたが、オーナーさんのご自宅から当店までの距離は100㎞程度ありますし、
この状態ですと自走でのご来店は難しい上に危険ですので
積載車にて引き取り、レッカー搬送にてお車をお預かりすることになりました。
毎度遠方から作業をご依頼いただきましてありがとうございます。
6年ほど前にECUを東名パワードのフルコンに変更し圧力制御にされたお車です。
エンジンルーム内はキレイにされているので調子が悪い気配を感じません。
エンジンは初爆はするものの確かに不安定です。吹け上りもアクセルについてきません。
始動直後のセンサー類の動作やデータを見ていましたら・・・
ブーストセンサーが反応していません。
センサー故障かハーネス、配管等の断線が考えられます。
エンジンルーム内のブーストセンサーを探します。
以前に取り付けたところから移設されたようで
エアクリーナーボックスにつながるインテークダクトの下に設置され
センサーにつながるホースが抜けておりました。
これが原因で実際の負荷値で決められたデータを読むことができず、
適度な燃料噴射量と点火タイミングが取れていなかったということでした。
オーナーさんにこのことをお知らせしましたところ、
数日前にラジエター交換をされたという話を明かされます。
その時のセンサー移設をきっかけにホース抜けが起き、
そのことが不調原因であることをご納得いただけました。
データログにて正常動作が見て取れました。
最後に排ガスチェックをしましたところ基準適合外の測定値になっておりました。
おそらく不調時に適正量を超える燃料噴射をしていたことも引き金になっている可能性はありますが、
一時的にアイドル付近の燃料をデータを絞っておきました。
CO、HCともに適合値範囲内に収めておきました。
バッテリーリセットで元のECUデータに戻ることもお伝えしておきます。
ご自分でオイル管理をされていた方なので
燃料希釈している可能性のあるエンジンオイルは早めに交換されることを促しまして、
作業完了とさせていただきました。お待たせいたしました。
« 前の記事:DC5インテグラ エンジンマウント交換 を読む
次の記事:ENR34スカイライン ブレーキキャリパーオーバーホール2 を読む »