ZZW30 MR-S ECUを交換してデータを調整しました。

MR-SのECU変更とデータセッティングの依頼を受けました。
 
オーナーさん手持ちのパワーFCというフルコンの取付と車両に合わせてデータ調整をします。
 
 
 
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取付は簡単です。コネクターを挿すだけで、普通に走れます。
 
 
 
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ハイオクガソリン仕様にするので、
 
燃料ポンプを新調するついでにレギュラーガソリンを全て抜き出します。
 
 
 
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ガスが空っぽになったのをメーター上で確認しました。
 
 
 
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ハイオクガソリン満タンにします。
 
このECUはレギュラーに対応するデータもあるようですが、
 
オーナーさんのご要望によりノックング抑止対策でハイオクを入れました。
 
 
 
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燃料調整するためにAF計(空燃比計)のセンサーを取り付けました。
 
純正のO2センサーはお休みさせておきます。
 
左右にセンサーが取り付けられるので、双方とも計測してみました。
 
いつもなら集合部につけて終わりにするのですが、
 
今回はせっかくなのでどの程度左右の差込違いでAFが変わるのか
 
とても気になったので測ってみました。
 
 
 
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アイドリングですごく燃料が出ているようでしたので、
 
付属のFCコマンダーで試しに「基本燃料」の値を減らしてみました。
 
センサー取付位置でAF値が0.5以上違います。それも全域で、均等に。
 
濃い方や集合部で採ったデータに合わせて調整させると
 
エンジンがダメージを受けそうですので燃料が薄く表示する方で合わせていくことに決めました。
 
というか、ビビってそちらを選択しました。(笑)
 
 
 
現在の燃焼室形状やインジェクターの実噴射量などで気筒別で全然 値が違うのだと思います。
 
AFセンサーを各気筒の排気管それぞれに付けたら もっと正確に調整できるだろう・・・
 
とも思うのですが、ぼくらはスポーツ走行を嗜む程度なので これらの方法で十分としています。
 
 
 
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こちらはPCでの編集画面です。いろんな補正マップが見られます。
 
各パラメーターの設定や補正値の決め方で どのようにフィーリングが変化するか
 
予め対応策がいくつも分かっていると調整作業がサクサク進みます。
 
 
 
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アイドル燃料はこちらの「燃料補正マップ」で調整しました。
 
ザックリと狙ったAFを出したいときは こちらのマップから調整すると話が早そうです。
 
もう一つ別に「燃料補正係数マップ」もあり、
 
こちらですと数値を変更してもあまり変化が見られませんので微調整マップと解釈しました。
 
 
 
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AFメーターの指す数値もチラチラと変化するので、
 
狙って理想空燃比が出たところでカメラのシャッターを切りました。(笑)
 
 
 
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へたくそに書いた僕から作業者への作業指示書…ではなくて、
 
「燃料マップでこの様なAF値が出力できればいいんじゃないかな。」というメモ書きです。
 
後はノッキングの出ないように調整します。
 
 
 
アクセルレスポンスの出し方は、一般的に「加速増量」で対処するのですが、
 
それだけでは反応が少なく、例えば補正マップ値が低めで合わせてある状態で、
 
アクセルのツキがわるいの場合には「無効噴射時間」の変更で対処したりもします。
 
但し変更幅が大きいとパーシャル域での燃調もかなり変わってしまうという欠点もあり、
 
また、ここはバッテリー電圧にも左右されるパラメーターなので
 
なるべく慎重に微調整するくらいで済ませるようにしています。
 
NAエンジンでもターボエンジンでもアクセルレスポンスは大事ですものね。
 
 
 
「エアフロ補正」は簡単にデータ調整可能なのですが、
 
場合により点火時期補正マップまで影響ができるときがあり、
 
裏で何をされているかよくわからない感じがあるので、エアフロ交換されているとき以外は、
 
こちらは触らないようにして、燃料、点火それぞれ別々で調整します。
 
点火時期はあまりパワー志向にならない程度にしておきました。
 
 
 
パーシャル域のガタツキに関しては、
 
2000rpmを境に、それ以上からのアクセルOFFでは燃料カットが入り、
 
エンジンブレーキがアイドリング付近まで持続します。
 
それ以下でのアクセルOFFでは燃料カットが強く入らないようになっていますので、
 
軽くアクセルをON/OFFをしても乗り辛さやガタツキは解消できていると思います。
 
 
 
・・・とかなんとか、言っているうちに、
 
思っていたようなデータコンディションになりました。
 
駐車や渋滞、通勤などの一般走行は いつも通りに乗り易くセットしました。
 
後は、オーナーさんが全体的な乗り味を気に入って下されば嬉しいです。
 
 
 


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