AP1 S2000 カムシャフト&バルブスプリング交換とタペット調整

 
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S2000のカム交換をオーナーさん自らやってみたい、ということで横からの口出しとお手伝いをします。
 
交換部品はカムシャフトのほか、バルブスプリング、バルブリテーナー、ステムシールなどです。
 
仕上げにECUのデータを変更して、今回のエンジン仕様に合わせる予定です。
 
手順や難作業となりそうな部位の方法は、事前に打ち合わせしました。
 
整備要領書の通りに進めれば、連休中にゆっくり作業できそうな内容です。
 
 
 
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イグニッションコイルとタペットカバーを外します。
 
 
 
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カムシャフトを外す前に、スプロケ位置を合わせておきます。
 
 
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カムシャフトとロッカーアームを外します。
 
 
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ロッカーアームを全部いっぺんに外すは大変そうでしたので少しお手伝いします。
 
予めアーム先端のアジャストスクリューは緩めにしておきます。
 
 
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今回装着するBrian Crowerのハイカムです。高速側の作用角300度を超えてます。
 
ホンダ純正もそれに近い数値のようなので、見た目だと違いがあまりわからないです。
 
 
 
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バルブサージング防止のためバルブスプリングも変更します。
 
リテーナーは強度を上げることにより破損を防ぐ意味と軽量化のためチタン製に変更して、
 
レートアップしたバルブスプリング(ダブル)に対応させます。
 
バルブステムシールはゴム製のため、硬化によるオイル下がり防止
 
のメンテナンスとして交換しておきます。
 
 
 
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バルブスプリングの交換作業は、
 
いつもはヘッドを降ろして、単体の状態でヘッド内パーツの組付けをするのですが、
 
今回はヘッドガスケット交換や
 
ピストンやコンロッドに何も用がないので、分離せずに作業します。
 
プラグホールからシリンダー内にエアを送り、
 
保持しておくことで、バルブの脱落を抑止する方法です。
 
 
 
バルブスプリングコンプレッサーもヘッドの上面に固定するタイプのものを使用します。
 
用意したツールが華奢なつくりで、力任せにやると壊れてしまいそうなことと、
 
コッターとリテーナーに固着があり、締め込みには少々のコツを要します。
 
 
 
スプリングを縮め、コッターピンを落とさないように
 
慎重に1バルブ毎2個、ペン磁石で取り上げます。
 
 
 
コンプレッサーを緩め、リテーナー、スプリング、バルブシール、スプリングシートの順に取外し、
 
逆の順に新しいものに交換していきます。
 
 
 
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16個全部交換したところです。
 
エアを数キロかけるだけで、バルブシールがなくなっても、意外とバルブが落ちませんでしたが、
 
一応、保険の意味でピストンは上死点近くに移動しておいて作業します。
 
各気筒ごと4バルブずつ交換し、順序は1番 → 4番 → 2番 → 3番でやることで
 
クランクを動かす回数が2回で元に戻る理屈で施工しました。
 
 
 
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次にロッカーアームを戻します。
 
ロッカーシャフトからアームがすべて垂れ下がる感じになります。
 
アームをすべて水平に広げないと設置できません。
 
ここは一人でやると大変そうでしたのでお手伝いします。
 
それらを優しく持ち上げながらセットします。
 
 
 
その後、カムシャフトを載せ、カムキャプで固定します。
 
 
 
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バルブクリアランスを測定します。
 
これらはオーナーさんに考えあってか、純正規定値と社外品推奨値の間くらいを狙います。
 
このようなツールを使うとアジャストスクリューとロックナットを容易に調整できるようです。
 
 
 
ヘッド内部に小さい部品がいっぱいあり、注意事項と脱着点数が多くありましたが、
 
これで、ハード面の作業は完了です。
 
 
 
このあと、試走~ECUの微調整をしました。
 
少し運転させてもらいましたが、
 
高回転は速すぎてなんだかわかりませんでした。(笑)
 
V-TECの切り替えポイントは純正より分かりやすくなった気がします。
 
そのあたりも含めて、ECUセッティングはもう少しに詰められそうです。
 
またお付き合いさせてください。
 
 


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