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180SX オールペイント #326 その7

つづいています。 つづきです。
 
リアバンパーをFRP製の軽量のものへと変更するので、製品を作っていきます。
 
 
 
DSC05524
 
純正形状の製品です。 純正リアバンパーは「ガワ」はそんなに重くないんだけど、
 
中のスチール製のホースメントが凄く重たいんです。 一人で持つのも辛いくらいかなあ?
 
昭和の設計で、しっかりとした作りの良いものですが、今回はスポーツを意識して、
 
軽量化も兼ねてせっかくですが車体から外してしまいます。
 
 
 

 
一人で製品を作るのもボクの体力と集中力だと、この大きさぐらいで一杯一杯ですが、
 
今回もノーゲル仕様のエアゼロを目指して作りました。
 
エアゼロって言うのは身内にしか通用しないのかも知れませんが、簡単に説明する前に
 
せっかくなので一般的なFRP製品の簡単なおさらいをしましょう。
 
思った以上に長くなってしまったので興味のない人は飛ばして下さい。(笑)
 
 
■ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、一般的な製品は先ずメス型に離型処理をします。
 
これも多種多様いろんなものがたくさんありますが、塗装が必要な製品の場合においては
 
次後作業に影響が出にくいシリコン成分などを含まないものが好ましいですね。
 
ちなみにボクの愛用しているケムリースは塗装に影響を与えないのでボディーショップさんには優しいです。
 
 
■次にゲルコートを型に塗布します。 このゲルコートも多種多様、多品目ありますねえ。
 
巷のカーボン生地を使用したウェット製品の場合はクリヤーゲルコート。
 
塗装を前提としたものであれば白ゲルや黒ゲルが多いと思います。
 
ちなみにウェット製のカーボンパーツで使用されるクリヤーゲルコートにも色々あって、
 
紫外線に強く長期間、美観に優れた高耐久なものもありますし、
 
安価な材料を使用している場合ですと、最初はきれいだけど紫外線による影響で
 
数ヶ月から一年程度で黄ばんだり白っぽくなったりするものが多いです。
 
それなりのメーカーさんではその辺りを充分考慮した上で製品を作られていると思いますので、
 
志の高い製品をお求めの方はメーカーさんに聞いてみればよいかと思います。
 
ボクはお客さんに頼まれた場合にはそれなりの知識ですが、
 
どのような材料をお使いかを電話かメールで聞いたりします。
 
 
■次にメス型に塗布したゲルコートが乾燥したら、ガラスマットの貼りこみ作業です。
 
一般的なFRP用ではポリエステル系樹脂をガラスマットに染み込ませたものが硬化して形成されます。
 
ちなみにドライカーボンはエポキシ樹脂です。
 
ガラスマットをゲルコート面に乗せていくのですが、ガラスマットは性質上、鋭角な角には
 
貼り込めませんので、エアーが入りそうなコーナー部分には予め樹脂パテを入れてその後の積層になります。
 
で、ここからがちょっと大事なところです。
 
ガラスマットに樹脂を浸して貼りこみする際には少なからず生地の間にエアー(気泡)が入ってしまいます。
 
気泡が多いとスカスカで骨粗鬆症みたいで強度も低いものになってしまいます。
 
何よりその気泡が気温の上昇と共に膨張して、板金屋さんなどでキレイに塗装してもらったものが、
 
しばらくすると製品の表面にプツプツと上がってきて、やがて塗装面が蕁麻疹のような肌になってしまったりします。 
 
怖いですよねぇ~~~。(笑)  塗装屋さん用語では「ブリスター」なんて呼ばれています。
 
存じあげている方も少なからずいらっしゃるとは思いますがFRP製品ではよく見受けますねえ。
 
塗装屋さんが下地処理にスプレーパテ等を使っていればある程度はこの現象を抑える事が出来るのですが、
 
少々の手間と作業賃も余分に掛かりますのでごく一部の塗装屋さんしかやってないかもです。
 
こうならないように良い製品はこのエア抜き作業を手を抜かないで、鉄ネジローラーなんかを使って
 
チマチマコリコリ時間を掛けて仕上げているんです。
 
まとめると良い製品は樹脂パテは最小限で少なく、積層時のエアが無い、もしくは少ないのが理想。
 
ゴミみたいな製品は樹脂パテが必要以上に多い上にバカでかいエアーがたくさん入っています。
 
一般的な樹脂パテは固く柔軟性に乏しいので、立て付け時に負荷がかかるような部分が
 
よく割れているのを見受けますがほとんどの場合の原因はコレですね。
 
又、製品のクオリティーを確認したければ投光器のような強力なハロゲンランプなどを、
 
積層面に近づけて反対側から見ると誰にでも分かり易くエアの混入などが目視できます。
 
(PCの中に解りやすそうな画像があったのですが見当たりませんでしたので機会をみて用意します。)
 
■さて、メス型のガラスマットに含浸した樹脂が硬化したらいよいよ脱型です。
 
バリなどの余分をグラインドディスクサンダーやベルトサンダー、ビス類の取り付け穴などを
 
ドリルやリューターなどで整形し、製品によってはネットなどの付属品を取り付ければ完成となります。
 
すごく長い文章になってしまいましたが、エアゼロとは、裸眼の目視で見えるような
 
気泡が無い製品の事です。 ちょっと疲れました。(笑)
 
 
 

 
で、脱型したところです。
 
 
 

 
樹脂パテも持っていますが工夫すれば使わなくてもそれなりのものが出来ますので使用していません。
 
 
 

 
表面を足付けしてスプレーパテを待つところです。
 
 
 

 
画像だとあっという間に研ぎが終わったところです。
 
 
 

 
サフェーサーが入ってちょっとホッとしたところです。
 
 
 

 
意味はないのですが、裏側です。
 
つづきますー。
 
 
 

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